■痛む場所に原因はない!?
もしあなたが体のどこかに不調や痛みを感じた場合、どうしますか?
病院は不調を感じる場所に何が起こっているのかを診断してくれます。
治療院は、患部に電気治療やマッサージなど
適切な処置で痛みを緩和させてくれるでしょう。
しかし、痛みの原因が「動き方」であった場合、
不適切な動きが直らなければ、痛みが再発する事があります。
立った状態で腕を真上にあげるバンザイの動きです。
正常であれば肘を伸ばしたまま両腕は
耳の横まで到達することができます!
この動きには肩の関節以外に背骨(特に胸椎)の関節可動域が必要です。
写真のように背中を丸めた状態で
バンザイをしてみてください。
胸が真上まであげられないばかりか、
中には肩に痛みや違和感を感じる人もいるかもしれません。
胸椎の動きができないために、肩の動きが制限され、
関節の中を通る筋肉が挟まってしまうことで痛みが生じます。
四十肩・五十肩の痛みを持つ方に多い動作不良です。
ここで大切なのは、この時に痛みが起こるのは「肩」でも、その原因は「胸椎」の
可動域の制限だということです。
■動きの効率性
動きの効率性とは、言い換えると
「最小限の努力やエネルギーで意図する動作を行えること」です。
| スタビリティ(安定性) | 関節を安定させる能力 |
| モビリティ(可動性) | 関節を動かす能力 |
体にはたくさんの関節がありますがその構造は関節ごとに違っています。
可動性のある「モビリティ関節」と
安定性のある「スタビリティ関節」といった、原則があります。
モビリティ関節では、動かすべき
関節の可動性が不十分になってしまうと、
そもそも関節は動くことができません。
可動域があって動かせたとしても、固めるべき
関節がしっかり固定されていないと、
安定性に欠けてしまうためゴム人形のような
動きになってしまいます。
関節にとって、理に適った正しい
「動きのトレーニング」を行うことで、体の連動性が良くなります。
スポーツのパフォーマンスに置き換えるなら、
意図する動作を最小限の努力で行える事で、
余力を技術や状況判断に費やする事ができるため、
良い成績にも繋がりやすくなると考えられます。
■動きの多様性
スポーツに熱心に取り組む程、そのスポーツに近しい動作の
トレーニングを集中的に行いがちですが、
学生時代に複数の種目を経験していた選手ほど出場試合が多く、
怪我が少なく、選手生命が長いという結果が示されています。
一見そのスポーツに関係がないように見えても、多種多様な動きを経験し、
様々な動きのパターンを経験・取得する事で、
全身に負担を分散できる「多様性」が障害予防やパフォーマンス向上に大切です。
■動きは「神経」が学習する
「効率的で多様な動きをどのように学習するのか」
それは、どこか特定の筋肉を鍛える事で動きが学習されるのではなく、
効率的な動き、多様な動きを繰り返し経験する事により、
脳や神経系がその運動パターンを学習し始めるのです。
「動きを身につける」とは、
意図した新たな動きや技術を実施する事だけではなく、
不必要な筋力発揮がない事、乱れに強い事が重要です。
スポーツで新しい技術を学ぶとき、最初は不必要に力んだ動きをしていたのが、
慣れるに連れて不必要な力が抜ける。
これが、「動作を学習している」サインです。
そして、様々な状況や環境の変化に対しても同じ動作を行える事が、
本当の意味での「運動学習」で、「乱される事によって学ぶもの」です。
■どのようにして動きを身につけるのか
脳が動きを学んでいく過程には段階があります
| 運動制御(モーターコントロール) | 運動学習(モーターランニング) |
| 床に転がったボールを拾うといった 基本的な動きから、 動きながらバスケットのゴールに ボールを入れるといった高度な動きまで、脳や神経はその時々に応じて必要な 筋肉群を、適切な量・タイミングで 動くように指令を送り、動作を起こしています。 |
自転車の運転を練習する際、 転びながらもバランスを保って 運転できるようになる過程は 運動制御です。 その後運転に慣れてくると、 特別な努力や意識なく乗りこなせるようになり、久々に運転するような時にも 操縦方法を覚えている。 この段階が運動学習された状態です。 |
■セルフチェック
セルフチェックをする目的は、主に次の2つです。
・ケガを防ぐ
体の弱いところや硬いところが分かると、
そこを重点的にストレッチしたりトレーニングしたりすることで、ケガを防げます。
・スポーツで良い記録を出す
自分の体のことをよく知って、それに合ったトレーニングをすることで、
スポーツがもっと上手になります。
セルフチェックの手順
セルフチェックの手順は、次のとおりです。
1.全身をチェックする
痛みの原因は、身体が痛いと感じる場所以外にもあるかもしれません。その為、痛くない場所もチェックすることが大切です。
2.関節がどのくらい動くかチェックする
関節は、骨と骨をつないでおり、体を動かすためにとても大切です。セルフチェックでは、
関節をどのくらいスムーズに動かせるか調べましょう。
3.自分の体のクセを見つける
セルフチェックやエクササイズを通して、
自分の体のクセを見つけることが大切です。
具体的には、重心が後ろに行きすぎて腰を反っている、背中が丸まり猫背になる、
片足で立つ際にふらつく等。鏡や人に見てもらいながら行うと分かり易いです!
セルフチェックを行う事で得られる効果
セルフチェックは自分のカラダの状態を知るきっかけになり、
ケガを防いだり、自分に見合ったエクササイズを見つける事にも役立ちます。
ケガをしにくく、スポーツや日常を思い切り楽しめる体を作っていきましょう。



