現代を生きる多くの方が悩まされている慢性疲労、肩こり、腰痛。これらの慢性的な不調は、一時的に症状を和らげるだけでは根本的な解決には至りません。その根源は、体内に蓄積された「汚血(おけつ)」という毒素の塊が、特に「背中の毒素のタンク」となって、全身の巡りを妨げているためだと考えられます。
慢性的な不調の根源と「汚血」の正体
東洋医学では、生命活動の基本として、体内の「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」の三通の流れがスムーズであることが健康の維持に不可欠だと考えられています。
この流れが滞ると、老廃物や異物が体内に溜まり始めます。
特に問題となるのが、血液の通りが悪くなった状態(血の滞り)が生む汚血です。
汚血は、単なる流れの悪いドロドロの血液ではなく、腐敗したタンパク質や脂肪、有害物質、細胞分泌物、細菌などが混ざり合った、黒っぽく粘り気の強い塊であり、成分分析が難しいほど雑物が多く含まれています。
こうした毒素の蓄積は、現代人の生活環境と深く関わっています。
私たちが日々口にする食べ物には、農薬や化学肥料が使用された農産物、成長剤や抗生剤が混ざったエサを食べた家畜の肉、そして防腐剤や酸化防止剤などの添加物を含む加工品や惣菜類が多く含まれています。
これらの人工的な化学物質や異物は、体が排出しにくいため、体内の毛細血管や細胞の外側にある細胞外液に蓄積していきます。

汚血の集中地帯
体内に溜まった汚血は、再発や転移にも大きく関わる毒素でもあり、様々な疾患や不調を引き起こす根本原因となります。
汚血が蓄積しやすい場所の中でも、背中はまさに「毒素のタンク」と呼ぶべき場所です。具体的には、脊椎の両側、肩甲骨の周辺、肩甲骨と胸椎の間、腰椎の両脇、そして骨盤の上部などが汚血の集積地です。
汚血が多量に溜まっている人の背中の表面は、溜まった部分がへこむなどして微妙な凹凸(でこぼこ)が生じていることが知られています。

疲労と痛みを生む「流れの渋滞」
汚血の蓄積は、慢性的な疲労や痛みの直接的な原因となります。
| 痛み(腰痛、肩こり) |
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「痛」という漢字は「やまいだれ」と「通」が組み合わさってできており、体内のどこかが詰まり、血液などの通りが悪くなったときに起きることを示しています。
汚血が血管を塞ぎ血流が滞ると、細胞への酸素や栄養の供給、老廃物の回収が妨げられ、「巡りが悪い」状態となります。
その結果、筋肉がこわばり、肩こりや腰痛を引き起こしやすくなります。
また、不要なタンパク質や脂肪は、まず腰、坐骨、骨盤などの大きな関節の隙間に溜まり、痛みの原因となります。
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| 慢性疲労 |
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過労や仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなどによるストレスは、自律神経のバランスを崩し、交感神経が慢性的に緊張した状態を続けます。
これにより、肩こり、頭痛、腰痛といった身体症状とともに、強い疲労感(倦怠感)が現れます。
疲労が蓄積し、体内の毒素が増えると、自然治癒力が低下し、疲労回復が難しくなります。
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毒素の排出と自然治癒力の回復
これらの慢性的な不調から脱却し、健康を取り戻すためには、体内に溜まった汚血という異物を認識し、体外へ排出し、自ら病に打ち勝つ自然治癒力を最大限に高めることが不可欠です。汚血は、運動や汗、尿だけでは完全に排出しきることが困難です。
汚血は体表近くに集まりやすい性質を持っているため、物理的に体外へ取り除くことが可能です。
古くから、吸引療法(吸玉、カッピング)が汚血を取り除く技術として知られてきました。
カッピングは、硬質ガラスなどのカップを皮膚に吸い付け、内部を真空にして汚血を吸引する治療法であり、体内の毒素を吸い取り、老廃物を除去することで、すぐに体が楽になる効果が期待できます。
汚血が吸引によって取り除かれると、背中の凹凸も平らになることが確認されています。
また、手技療法も汚血対策に役立ちます。
マッサージは、体内に溜まった毒素の塊を散らし、血行を改善するために役立つ方法の一つです。
また、推拿や指圧といった手技療法も、五臓六腑の働きを整え、病気を治療するために用いられます。

汚血を溜めないための生活改善
健康を維持し、汚血の再蓄積を防ぐためには、生活習慣を根本的に見直す必要があります。
| 十分な休養と睡眠 |
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疲労やストレスは免疫力を低下させ、汚血を溜める原因となります。
何よりも休養が最良の薬であり、過労を避けるべきです。
毎日、質の良い熟睡を確保することが、疲労回復と健康維持の秘訣です。
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| 食生活の改善 |
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毒素の元となる化学薬品(食品添加物、化学調味料など)や、過剰なタンパク質や脂肪の摂取は、汚血の原因となります。
理想的には、野菜や豆類、雑穀を中心とし、旬の魚などから必要な栄養を摂ることが推奨されます。
食べ過ぎに注意し、毒を体内に取り込まないよう心掛けることが重要です。
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| 適度な運動と排泄促進 |
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適度な運動は、心拍数を上げ、血流を全身に巡らせる力を強めます。
軽めのストレッチや体操は、筋肉をほぐし、血行を良くすることで肩こりや腰痛の改善に役立ちます。
また、汗をかくことは毒素を体外に排泄する重要な手段であり、日頃から意識して体を動かすことが汚血の渋滞を防ぎます。
ウォーキングや太極拳のような運動療法も有効です。
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まとめ
汚血を取り除き、体内の「三通」の流れを回復させることで、自己免疫力が高まり、慢性的な不調から解放された健康な体を取り戻すことが可能になるのです。
薬で症状を抑え込もうとする行為は、例えるなら、家の排水管が詰まって汚水が逆流しているのに、その汚水に色を付けて見えなくしようとするようなものです。
本当に必要なのは、排水管の詰まり(背中に溜まった汚血のタンク)を物理的に取り除き、日常的に流す水の質(食事や休養)を改善し、滞りなく流れる状態(三通)に回復させ、健康を維持していきましょう!


